1946年に公布された日本国憲法が、御年67歳の「ケンポーじいさん」になってしゃべり出した!? 「ま、ちょっとばかり、じいさんの話をお聞きよ」――
『ケンポーじいさん、ながいきしてね。』(駿河台出版社)は、「ケンポーじいさん」が昔話をしたり、以前の「ケンカ」の後に誓ったことや約束したことを語ったりする形を取り、「日本国憲法のエッセンス」を「子供にも分かりやすいコトバ」で伝えている。
完成までに4年
絵本のような体裁だ。見開きの片方には四季折々のカラー写真、もう一方のページには、「ケンポーじいさん」が語る、
「涙を流しながら、心から誓ったんじゃよ」「もう二度と、ケンカはしないと」
といった短い言葉が載っている。
著者は「Kiitos(キートス)」=フィンランド語で「ありがとう」=。写真家・坂田栄一郎やアートディレクター・村松秀俊、コピーライター・野澤知宏の各氏らを主なメンバーとする「『心から平和を愛し、日本を愛する』クリエーティブユニット」だ。
本書のプロジェクトは、多くのスタッフが「白熱した議論」を交わしながら進められ、完成までに4年の歳月がかかったそうだ。「あとがき」の中で、「あらためて『日本国憲法』の中身を見つめ直し、何が書かれているのかをもっと多くの人に知ってもらいたい」と、その思いを綴っている。
「じいさん」の言葉には英訳もついており、巻末には日本国憲法の前文や条文も載っている。A4変判72ページ。2013年5月、発売された。1995円。