「さしこ」が見せた左遷からの復活 不遇の時代を乗り切るキーワードとは

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失意のどん底を明るく駆け抜ける

『夏色ジャンクション 僕とイサムとリサの8日間』
『夏色ジャンクション 僕とイサムとリサの8日間』

『夏色ジャンクション 僕とイサムとリサの8日間』

   人生、明日何が起こるかわからない。一発逆転だって不可能じゃない。まして、青春真っ盛りの夏ならば。実業之日本社文庫の『夏色ジャンクション 僕とイサムとリサの8日間』(著・福田栄一、720円)は、夏の切ない8日間を描いた青春ロードノベルである。

   親友と恋人に裏切られ借金を背負い、失意のどん底にいる信之はミニバンで寝起きする日々。あるとき、ひょんなことから大金を持つ老人イサムと出会う。そこに、ヒッチハイクで青森をめざすアメリカ娘リサが加わり、3人で東北をめぐる旅が始まる。信之はイサムの金を奪おうと考えるが、計画は迷走。いつしか、人と人の信頼が芽生え――。心の中の暗雲を取り除いてくれる読後感爽やかな1冊だ。

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