カンヌで受賞『そして父になる』が問いかけるもの 育児と仕事、そして自分を見直してみる

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   子どもを産むことと、親になることは同じではない。今年(2013年)のカンヌ映画祭で審査員賞を受賞した是枝裕和監督の『そして父になる』は「本当の親子とはなにか」をテーマにした作品だった。少子高齢化が進み、児童虐待が深刻化するいま、現代における「子育て」について考える。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(https://books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中。

凄惨な虐待、その実態と構造的な問題

『誰か助けて 止まらない児童虐待』
『誰か助けて 止まらない児童虐待』

『誰か助けて 止まらない児童虐待』

   顔が腫れあがるまで殴り、跡がつくまで首を絞める。手足を縛り、口に粘着テープを貼る。食事を与えず、トイレや浴槽に閉じ込める。ついには死に至らしめることもある。わが子をまるで虫けらのように扱う親たち。リーダーズノート出版の新書『誰か助けて 止まらない児童虐待』(著・石川結貴、830円)が例示する児童虐待の一端だ。このような凄惨極まりない虐待がなぜ起きるのか。

   「虐待の実態がつかめなかった」「緊急性があるとは思わなかった」「人手が足りない」。虐待事件が発覚するたびに関係機関はこういった言い訳を繰り返す。それはなぜなのか。著者は虐待した母親や保育園、小学校、児童相談所、児童養護施設などの関係者に取材し、今日の児童虐待の実態と構造的な問題に切り込む。

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