歴代名人の知られざる人間ドラマ
『将棋名人血風録 ――奇人・変人・超人』
昨年(2012年)は将棋の名人が誕生して400年という節目の年だった。角川書店(角川グループパブリッシング)の『将棋名人血風録 ――奇人・変人・超人』(著・加藤一二三、780円)は、歴代名人の知られざる一面や名人戦をめぐるドラマを綴る。
昭和の大ヒット曲「王将」は阪田三吉を歌ったものだが、将棋の世界には「奇人・変人・超人」と呼ばれる人が多いのも事実だ。「神武以来の天才」と称された著者だって、「変人名人」として数々の逸話を残している。登場するのは、木村義雄から大山康晴、升田幸三、中原誠、谷川浩司、森内俊之、羽生善治――。将棋ファンにはこたえられない天才勝負師たちの人間味あふれる闘いが繰り広げられる。