デモや集会はもう古い?
「資本主義に無批判でコマーシャリズムに阿り(おもねり)軽薄だ」との見方に評者は触れつつ、こうした反発を軽くいなす。ただ、デモや集会は古い世代の過去の改革手法ではない。反原発の国会包囲デモはつい昨日・今日のこと。ソーシャルデザインがいくら格好よくても、直接に声をあげる人々の行動を否定できるものではないだろう。
企業的発想のソーシャルデザインには反原発や政財界もろもろの不正追及までは含まれないし、期待すること自体が論外ということか。そのへんまで著者も評者もはっきりさせてくれるといいのだが。でないと、若者を企業社会に取り込む手段と極論されかねない。
ほかには、『中国の海洋進出』(海洋政策研究財団編、成山堂書店)が日経に。中国本は山ほどあるが、沖縄をふくめた東アジアの火種を地政学的に分析した点は有意義だ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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