「ノマド論争」の問題提起
世界がIT革命から本当にグローバル化するのなら、わざわざ遠い異国に行かなくても「自宅で働けばいいだろ?」と言えば、確かにそうだ。正解はどちらか、審判はいない。
日本の企業社会が硬直しているうえに非正規社員ばかりを増やし続けていては「もう頼っていられない」と思う人が出るのは当然だ。そこに「ノマド論争」が巻き起こる。
国内と海外、どこで生きるにしても自分しか頼れないとすれば、働き方の議論は誰にとっても必要になってくる。その意味で、仕事について鋭い問題提起の本だ。「ノマドが言われる時代」だからこそ、個人の生き方と現代社会のあり方を見きわめなければならない。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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