【書評ウォッチ】部活の体罰、根性論を批判 元巨人・桑田の科学的指導法

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阪神タイガースの強化を経営面からも

   アスレチックスのゼネラルマネージャーとして革命的な成果をあげたビリー・ビーン氏の記録。ある退役軍人がさまざまなデータを再分析した「セイバーメトリクス」(測定規準)の手法を活用して、ヤンキースの3分の1の選手年俸で同等の成績をあげた。打率・打点より出塁率・長打率……日本のプロ野球にも影響を与え、ロッテや日本ハムなどがチーム作りの参考にしたというスポーツ本の古典だ。

   『本当は強い阪神タイガース』(鳥越規央著、ちくま新書)もおもしろい。「セイバーメトリクスを用いれば阪神は必ず勝てる」などと猛虎復活の戦略分析もたっぷりあるが、経営力の問題をとらえた面を玉木さんは評価している。

   「野球は夢と同時に、成長戦略の一翼を担う巨大なスポーツビジネスでもあるはずで、既にメジャーはそれを高度に実践しているのだ」と玉木さん。この言葉に説得力がある。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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