【書評ウォッチ】優等生には出せない「ヘタウマ」の魅力 岡本太郎、立川談志、ピカソまで

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芸術・芸能の中核「ヘタウマ文化」

   反対の角度からわかりやすいのは「談志ができなかった芸」の例だ。名人・談志はウマすぎた。おかげで、ヘタなのになぜかおかしいという状態になかなか達しなかった。

   芸は大したことないのに、高座に上がっただけで客を笑わせるタイプがいる。談志にはこれがなく、だから「格闘をし続けなければならなかった」というのだ。

   飛躍を期す芸術家が定型を壊して脱皮する。「こうした創造的破壊が、サブカルチャーの分野において、ちょっと斜に構えた遊びのポーズで脈々と行われてきたことを、本書は的確に示唆している」と評者の井波さんは薦める。日本の芸術・芸能の中核にあるヘタウマ文化。ただし、テレビ番組で「タレントが無内容、無芸のしゃべりをまきちらし……などは、むろんこの限りではない」とピシャリ抑えてもいる。混同してはいけない。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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