経済再生への揺るぎない基盤形成へ
こうした示唆により、我が国としては、日本だけを見るのではなく、周りとの関係から日本を見つめ直すことも必要であり、さらには過去や未来も見据えながら、排他的ではない、合意を目指すための「正しさ」を探求することが必要であることが改めて認識される。
このような視座は政策分野にも応用が可能である。私は経済官庁において政策調整に従事する中で、「正しさ」の衝突をどう受け止め、いかに前に進むか考える機会が多いが、「日本の常識は世界の非常識」、「ガラパゴス」、「霞ヶ関は閉鎖的なピラミッド社会」といった評価を我々から積極的に変えていくこと、つまり我が国が胸を張って世界や相手と関わっていくことにより、「利他的な正しさ」「仮の正しさ」を共有することにつながり、日本の政策の腰が定まり、ひいては経済再生への揺るぎない基盤ができていくこととなるのではないかと感じている。その意味で、我々がまず行うべきことは、「自問自答」ではなく、「他問共答」ではないだろうか。
経済官庁(企画官級)七転び八起き
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