賃金を抑え、格差を広げる
著者によると、機械の進歩で人間の仕事が「爆発的なスピードで」機械に置き換えられる。すると、機械を使いこなす高度な労働力は珍重され、機械でもできる単純労働は賃金が下がる。機械を持つ資本家と機械に押しまくられる労働者の格差は広がるばかり。
コンピューターはとくに中間管理職の仕事を奪うと、著者は警鐘を鳴らす。では、どうすればいいか。対策は?
機械は定期的な処理や反復作業には強いが、直感力や創造性は備わっていない。これを人間が活かして機械との共存をという。そうすると、やがて、今はない新しい仕事が生まれると著者は予想している。「警告」は的確な分析、「対策」にはやや不確定な部分がある。それでも、そうでもしなければ、機械にやられっぱなしになりそうな状態であることは、どうやら間違いない。「対策」をしっかり立てないと、また資本家だけがもうけるぞ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」でも記事を公開中。