「綺麗な先生は好きですか?」「ハイ!!!」 「反面教師」伊吹留香の迫力とエロス

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60年代ロックと昭和歌謡

   60年代のブルース・ベースのロックと、昭和歌謡には「型を大切にする美しさ」とでも言えるような、ある種の共通項がある。

「歌詞を書く時はいつも、朗読するだけでも気持ち良い、誰が聴いても気持ち良く感じてくれそうなリズムを心掛けている」

   平成になってからの若者向けの音楽、歌からは消えた「言葉へのこだわり」が、このアルバムに収められた歌にはある。

「ロック創世記のブルージーな音と、昭和歌謡のエッセンスのようなものとが、うまくマッチしたと思う」

   それだけでなく、伊吹留香の今度のアルバムが、気持ちよかったり美しかったりするのは、これまでの彼女が良しとしてきた裏側の負の部分とも向き合って、折り合いをつけてきたからこそなのだろう。

   なんにせよ、伊吹留香という才能は、大輪の花を咲かせることになる。そのとっかかりが、この『反面教師』なのだ。

加藤普

【収録曲  反面教師】

1.Warm Up
2.George George
3.夜を行く性
4.惚れ込め詐欺
5.decade
6.EMPTY
7.それだけは確か
8.LAPDOG
9.晩冬
10.ヒートアイランド
11.@frustration
12.在りし日

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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