60年代ロックと昭和歌謡
60年代のブルース・ベースのロックと、昭和歌謡には「型を大切にする美しさ」とでも言えるような、ある種の共通項がある。
「歌詞を書く時はいつも、朗読するだけでも気持ち良い、誰が聴いても気持ち良く感じてくれそうなリズムを心掛けている」
平成になってからの若者向けの音楽、歌からは消えた「言葉へのこだわり」が、このアルバムに収められた歌にはある。
「ロック創世記のブルージーな音と、昭和歌謡のエッセンスのようなものとが、うまくマッチしたと思う」
それだけでなく、伊吹留香の今度のアルバムが、気持ちよかったり美しかったりするのは、これまでの彼女が良しとしてきた裏側の負の部分とも向き合って、折り合いをつけてきたからこそなのだろう。
なんにせよ、伊吹留香という才能は、大輪の花を咲かせることになる。そのとっかかりが、この『反面教師』なのだ。
加藤普
【収録曲 反面教師】
1.Warm Up
2.George George
3.夜を行く性
4.惚れ込め詐欺
5.decade
6.EMPTY
7.それだけは確か
8.LAPDOG
9.晩冬
10.ヒートアイランド
11.@frustration
12.在りし日