人に届けるためならこれまでと違うことにもトライ
「いままでは気心の知れた仲間と音を作ってきたけれど、今回はプロデューサーに参加してもらった」
参加したのはジミ・ヘンドリックスのプロフェッショナル・トリビューターとして世界的に名高いJIMISEN。はじめは、自分とどこに接点があるのかもわからなかったという。
「でもやり始めたら、私では思いもつかないアプローチで新鮮だった。『George George』が王道のR&Rになったりして」
JIMISENらしく、ジャニス・ジョプリンへのオマージュのような音があったり、フリーのリフがストレートに飛び出してきたり、ブルースをベースにした1960年代後半のUK、USサウンドが随所に。それが、違和感がないどころか伊吹留香の血肉になって、まるで彼女のためにはじめから設えた音のよう。
「その当時の洋楽ロックってしっくりくる。同じように、私は昭和歌謡というか昭和の音楽の持っている哀愁に共鳴する。言葉が大事にされていた時代で、言葉のメロディーへの乗り方も綺麗」