タンパク質に着目したケアを通じて、「根本から美しく、健康な体になるため」の情報を発信するタンパク質美容推進委員会(事務局・東京)が発足した。群馬大学・生物化学工学科元教授の新井幸三さんや理学博士の北澤秀子さん、ヘアスタイリストの池戸裕二さん、栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさんらがメンバーを務める。
タンパク質の「ゆがみ」に働きかけるトレハロース
同会が2013年4月までに発行した「タンパク質美容のススメ」というニュースレターでは、皮膚や毛髪、爪などの主成分であるタンパク質をケアすることが、美容には「根本的に重要」だと指摘している。たとえば髪の場合、キューティクルに覆われているが、はがれてしまうとダメージを受けやすくなる。内部にあるタンパク質の立体構造がゆがみ、毛髪構成成分が流出し、髪が細くなったり切れやすくなったりするそうだ。
髪タンパク質のゆがみを防止する方法として同会が推奨しているのは、トレハロースを配合したヘアケア商品の使用だ。トレハロースは高い保湿性を持ち、一部の化粧品や医療品などに用いられており、「ダメージでゆがんだ髪タンパク質の結合に働きかけ、髪構造を改善する」と考えられているという。
また、トレハロースは、中南米の砂漠に自生する植物「ローズ・オブ・ジェリコ」に含まれていることでも知られる。この植物は、極度の乾季の中でも枯れることなく、長いと50年も100年も生え続ける。乾季には丸まって枯れているように見えるが、雨季になると緑の葉を広げるため、別名「復活草」とも呼ばれ、その再生メカニズムが注目されている。