本屋大賞「海賊とよばれた男」のモデル・出光佐三氏の生き方に注目!

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   2013年本屋大賞が4月9日発表され、百田尚樹氏の歴史経済小説「海賊とよばれた男」(上・下、講談社)が大賞に輝いた。本の「プロ」である全国の書店員が「最も売りたい本」として選んだだけに、小説のモデルとなった出光興産創業者・出光佐三(さ ぞう)氏の著作や関連書籍への関心も高まっている。

著作本は中古品として高値で取り引き

本屋大賞を受賞した「海賊とよばれた男」
本屋大賞を受賞した「海賊とよばれた男」

   1885年(明治18年)、福岡県に生まれた出光佐三氏は、神戸高等商業(現神戸大)卒業後、神戸の石油店での丁稚奉公を経て、満25歳で独立。1911年(明治44年)に福岡県門司市(現北九州市門司区)に機械油を取り扱う出光商店を開いた。

   戦前は外油が独占していた中国大陸市場にも進出し、南満州鉄道への納入にも成功。朝鮮半島、台湾にも販路を広げたが、敗戦によって在外資産のすべてを失い、国内外のすべての事業は消滅する。佐三氏はしかし、従業員に対し「愚痴をやめて今から再建にかかろう」と訴え、大陸などから引き上げてくる従業員を一人も解雇しないことを宣言し、その言葉通りに実行した。

   復興途上の1953年(昭和28年)5月には、石油を国有化してイギリスと抗争していたイランからの石油輸入を断行し、中東産油国からの直接取引に道を開いた。積荷の主有権を巡ってイギリスは出光興産を提訴したが、出光が全面的に勝利し、戦勝国に対する佐三氏の毅然とした姿勢が日本国民を勇気付けた。

   こうした佐三氏に関する書籍はこれまでにも多数出版されている。著書としては「我が四十五年間」(1956年)、「人間尊重五十年」(1962年)、「日本人にかえれ」(1971)、「永遠の日本 出光佐三対談集」(1975)など十数点あり、多くは絶版になっているが中古品として約4000円~1万4500円の高値で取り引きされている。

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