抗酸化成分の「アスタキサンチン」と「亜鉛」で睡眠改善効果を確認 富士フイルム

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   富士フイルムは2013年4月8日、公益財団法人・大阪バイオサイエンス研究所とともに手掛けた睡眠改善効果に関する試験結果を発表した。抗酸化作用を持つ成分である「アスタキサンチン」と「亜鉛」をマウスに摂取させたところ、高い睡眠改善効果が確認できたという。

ノンレム睡眠が通常の3倍以上

   アスタキサンチンは天然由来の抗酸化成分で、サケヤエビ、カニなどに含まれるカロテノイド(色素)の一種。オキアミなどを原料としたアスタキサンチンが機能性食品の原材料に使われている。一方、亜鉛は牡蠣や豚レバーなどに含まれる成分で、必須ミネラル16種の一つという。

   これまで両成分を含む食品を使ってヒトに体感試験を行った際、「よく眠れる」「寝覚め良い」といった感想が聞かれたことから、マウスに摂取させて「行動量試験」を実施した。

   試験は、マウスの体重1キロ当たり、(1)アスタキサンチン46ミリグラムと亜鉛73ミリグラム(2)亜鉛だけ73ミリグラム(3)水のみを、7匹のマウスにそれぞれ経口投与するという内容。その後にマウスの睡眠中の脳波測定をした結果、眠りが深い状態にある「ノンレム睡眠」の時間に関し、亜鉛摂取のマウスは水摂取のマウスの2倍以上に達したという。

   さらにアスタキサンチンと亜鉛を同時摂取したマウスは、亜鉛のみのマウスの約2倍、水のみ摂取のマウスとの比較では3倍以上のノンレム睡眠時間を得ていたという。こうした結果について、富士フイルムは「アスタキサンチンと亜鉛の摂取で、視床下部や脳幹といった脳内の睡眠をつかさどる領域に何らかの作用をしているのでは」とみている。

   今後はヒトでの睡眠改善効果検証試験を実施し、両成分の新たな応用を検討するという。

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