デフレ克服の期待を担って日銀総裁に就任し、2013年4月4日の金融政策決定会合では市中に出回るお金の量を増やし、多様な質の資産も買い増す「量的・質的金融緩和」の導入を決めた黒田東彦(はるひこ)氏。アベノミクスの牽引者としての役割にも注目が集まるなか、同氏が過去に出版した著作がアマゾンの「ビジネス・経済」分野の中で売り上げを伸ばしている。
単独の著作はこれまで計6冊
元財務(旧大蔵)官僚の黒田氏は大臣官房企画官当時の1981年に「財政・金融・為替の変動分析―相互波及のメカニズム」(東洋経済新報社)を、1996年には「国際交渉―異文化の衝撃と対応」(研究社出版)を出版。
財務省退職後は2003年に「通貨外交」(東洋経済新報社)、2004年は「元切り上げ」(日経BP社)、2005年には「通貨の興亡―円、ドル、ユーロ、人民元の行方」(中央公論新社)、「財政金融政策の成功と失敗―激動する日本経済」(日本評論社)などの著作を送り出している。
アマゾンではこのうち「財政金融政策の成功と失敗」、「通貨外交」、「元切り上げ」の3作品を現在取り扱っている。中でもフロート制への移行からゼロ金利政策、量的緩和まで日本経済30年のエピソード分析を試みた「財政金融政策の成功と失敗」は4月5日現在、ビジネス・経済書分野で堂々の第1位だ。
中国・人民元の切り上げ問題にメスを入れた「元切り上げ」も同じ分野の15位。「通貨外交」は758位となっている。
ランキング1位の「財政金融政策の成功と失敗」には、「歴史から学ぼうとする筆者の真摯な姿勢に共感!」といった好意的なレビューも寄せられている。