モンスターペアレントはなぜ生まれるのか
『学校崩壊と理不尽クレーム』
学校や教師に理不尽なクレームを突き付けるモンスターペアレントは、しばしばワイドショーや週刊誌でも取り上げられるが、年々過激になり深刻度を増している。集英社の集英社新書『学校崩壊と理不尽クレーム』(著・嶋崎政男、735円)は、公立中学の教頭、校長として保護者や近隣住民の苦情対応の窓口を務めてきた著者が社会背景も含めその実態を解明し具体的な解決策を提言したものだ。
「担任を代えてほしい」「うちの子を学芸会の主役に」「モーニングコールで起こしてほしい」。親たちが繰り出す要求や苦情は実に様々だ。とんでもない内容と同時に執拗なクレームが教師たちを萎縮させ精神性疾患へと追い込んでいる。本来子どもを育てるパートナーである教師と保護者があるべき関係を取り戻すためには――。