原子力・環境問題への活発な発言で知られる中部大学の武田邦彦教授が2013年3月29日、USTREAM・ニコニコ生放送の読書情報番組「J-CAST THE FRIDAY」に生出演する。
低線量被曝問題、あるいは地球温暖化説の否定など、幅広いジャンルを舞台に、時に世間の常識に対しても真っ向からぶつかってきた武田教授の議論だが、その原動力はどこにあるのか。
日本人よ、「空気」に流されるな
8日発売の近著『「正しい」とは何か? 武田教授の眠れない講義』(小学館、1365円)は「正しさ」をキーワードに、原発からタバコ、男女関係に至る諸問題について、自らの考えを語った一冊だ。
武田教授は、日本では絶対的なものだと考えられがちな「正しさ(=正義)」が、実は利害関係の数だけ存在することをまず指摘する。たとえば原発問題にしても、推進派にせよ反対派にせよ、そこには立場なりの「正しさ」があると武田教授は語る。
問題は、日本人がしばしば「トリックで作られた(他人の)正しさ」を信じ込んでしまい、さらにそれが「空気」となってしまう点だ。武田教授にいわせれば「原発は安い」というのは電力会社始め利害関係者の「トリック」によってできた「正しさ」以外の何者でもないという。それを盾にした「日本経済のため」の再稼動にも、武田教授は疑問を投げかけている。こうした状況を、武田教授は「いまや日本では、『空気』こそが『正しさ』の権化であるかのようになっています」と慨嘆している。
番組は29日昼12時半から。アーカイブあり。