訪日外国人数「大震災ショックから回復」の原動力 「IS JAPAN COOL?」にみるインバウンド戦略とは

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   東日本大震災による影響で、2011年の訪日外国人は大幅に減少した。原発問題の影響もあり、外国人が日本を避ける状況はしばらく続くのではないかと懸念されていた。

   ところが、日本政府観光局が発表した2012年の訪日外国人数(推計)は836万8100人(前年比34.6%増)と、大きな伸びをみせた。これは過去最高を記録した2010年の861万1175人につぐ2番目の高水準で、東日本大震災後の「日本離れ」から回復したともいえる数値だ。外国人客を呼び戻そうと、各企業が取り組んできたインバウンド(訪日外国人)戦略が徐々に実を結び始めているようだ。

伝統的日本文化に加え、「KAWAII」も発信

「KAWAII」も発信するサイト「IS JAPAN COOL?」
「KAWAII」も発信するサイト「IS JAPAN COOL?」

   たとえば、外国人の目線に立ち日本の魅力を発信するプロジェクト「IS JAPAN COOL?」は、企業が主導するインバウンド戦略の1つだ。多種多様な日本の魅力を「TOKYO」「COSPLAY」などのカテゴリーに細分化し、2012年2月から海外向けに展開している。神社や寺などの伝統的な日本文化を取り上げる「TRADITION」では、舞妓や力士、書道家など生き生きとした表情を浮かべた人々の写真や動画が印象的だ。加えて、きゃりーぱみゅぱみゅやキティラー、ツインテールなど、「KAWAII」という言葉で、日本から世界に広がるポップカルチャーも取り上げている。

   同サイトを運営する全日本空輸(ANA)のプロモーション室マーケットコミュニケーション部スーパーバイザーの佐野晶太郎さんは、

「原発問題で『怖い』というイメージが世界中に蔓延していました。そこで、そのイメージを払拭するために、普通に暮らしている人もいる3.11以後の『リアルな日本』を映し出したかった。日本の航空会社として、日本に貢献できることはないか、ということを考えていました」

と語る。

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