つながりのなんとも切ない一面も
合計所得の最も高いグループと最も低いグループの差は、年間800万円を超すというから、格差は拍車がかかるばかりだ。
離婚の影響や「結婚できない人たち」、地域差も本は視野にいれる。「金の切れ目が縁の切れ目」か、結婚生活の維持も格差に左右されるのだろうか。格差が拡大する仕掛けと現状をひも解いていくと、人のつながりのなんとも切ない一面までが浮かび上がる。
『インターネットを探して』(アンドリュー・ブルーム著、早川書房)が日経に。一見ずれたタイトルだが、何か施設があるはずだと世界中を旅した記録だ。欧米を結ぶ光ファイバー、グーグルのデータセンターなど。「ネットも実は物理的な世界の中に埋め込まれたものであることを強く意識させられる」と評者の鈴木謙介さん。ネットは魔法でも理念でもない。中国で検閲が行われているというのも、だからできるのかとわかってくる。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」でも記事を公開中。