「全ては紙一重」
この自信は捨てがたい。これこそがバンドが生き続けるモチベーションの原点ではないか。
いつもはバンドのメッセンジャーでもある藤原岬に話を聞くのだが、今回は敢えて封印。なにか、アルバムを聴くことで、藤原岬が言いたいことの8割方は理解できるのではないかと思ったから。
ひとつだけ、アルバムタイトルの『ヒョウリイッタイ』の意味を聞くと、藤原岬はこんな言葉で説明してくれた。
岬「全ては紙一重。表も裏もどちらかだけでは成立しないもの。光と影があってひとつのものが出来上がるという、あり方」
……。
3曲目に「花魁道中」という曲がある。
三味線の演奏が加わって、和のイメージがあるのだが、「やっちゃった 嗚呼 やっちゃいました」で始まり「ずらかっちゃって」で終わる。これがすこぶるカッコイイ。
藤原岬の言葉のセンスも光るのだが、この「花魁」を藤原に比すれば、男どもはさしずめ男伊達の「町奴」。
どこか華やいでどこか危うげで、なのにどこかきっぱりと自分がある。
とにもかくにも、もうそろそろこのバンドはフロントライン(単に売れるという意味ではなく)に立つと、心底思う。
加藤 普
【ヒョウリイッタイ 収録曲】
1. グンモニ
2. スーパースター
3. 花魁道中
4. シャボン玉
5. 絶ッテ
6. 大暴走
7. 嘘
8. 日々草々
9. ハイライト
10. ヒコウキ雲
11. ショウタイム
12. オモチャ箱