【アカシアオルケスタ・インタビュー】
ピアノロックが叩きつけた挑戦状 3rdアルバムにみる「変幻自在」の境地

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「全ては紙一重」

   この自信は捨てがたい。これこそがバンドが生き続けるモチベーションの原点ではないか。

   いつもはバンドのメッセンジャーでもある藤原岬に話を聞くのだが、今回は敢えて封印。なにか、アルバムを聴くことで、藤原岬が言いたいことの8割方は理解できるのではないかと思ったから。

   ひとつだけ、アルバムタイトルの『ヒョウリイッタイ』の意味を聞くと、藤原岬はこんな言葉で説明してくれた。

   岬「全ては紙一重。表も裏もどちらかだけでは成立しないもの。光と影があってひとつのものが出来上がるという、あり方」

   ……。

   3曲目に「花魁道中」という曲がある。

   三味線の演奏が加わって、和のイメージがあるのだが、「やっちゃった 嗚呼 やっちゃいました」で始まり「ずらかっちゃって」で終わる。これがすこぶるカッコイイ。

   藤原岬の言葉のセンスも光るのだが、この「花魁」を藤原に比すれば、男どもはさしずめ男伊達の「町奴」。

   どこか華やいでどこか危うげで、なのにどこかきっぱりと自分がある。

   とにもかくにも、もうそろそろこのバンドはフロントライン(単に売れるという意味ではなく)に立つと、心底思う。

加藤 普

【ヒョウリイッタイ 収録曲】

1. グンモニ
2. スーパースター
3. 花魁道中
4. シャボン玉
5. 絶ッテ
6. 大暴走
7. 嘘
8. 日々草々
9. ハイライト
10. ヒコウキ雲
11. ショウタイム
12. オモチャ箱

◆加藤 普(かとう・あきら)プロフィール
1949年島根県生まれ。早稲田大学中退。フリーランスのライター・編集者として多くの出版物の創刊・制作に関わる。70~80年代の代表的音楽誌・ロッキンFの創刊メンバー&副編、編集長代行。現在、新星堂フリーペーパー・DROPSのチーフ・ライター&エディター。

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