親友の自殺・難病・孤立・恨み・涙… それでも「さかもと未明」が羽ばたく理由

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   「ショーケース」の中に、むき出しの「さかもと未明」も見えてきそうだ。漫画家、作家、コメンテーター、歌手とさまざま顔をもつさかもと未明さんが、写真とエッセー、漫画からなる『SHOW CASE』(MIMEIDIA)を出版した。

   アーティストとして、自身の激動の半生と結婚、現在の心境、さらにアートに対する想いを表現した作品となっている。新たなメディアとアートの可能性を追求する挑戦の一環といい、同書を発行したMIMEIDIAは、自身が社長を務めるクリエーター集団だ。

「私は羽をもらった」

『SHOW CASE』
『SHOW CASE』

   撮影は、長年ニューヨークで活躍していたフォトグラファー、Tajio.M氏。モノクロを基調としながら、少女や淑女、「天使」と表情を変える「Mimei Sakamoto」をカメラに納めている。

   エッセーは、「残酷な子供時代の記憶」の章から始まる。章を追うごとに、いじめ被害や「魂の片割れ」Yちゃんとの出会いと彼女の自殺、両親との不和などが描かれる。後に、はた目からは「成功」を収めたかに見えるようになるが、当人の心は「ぼろぼろ」だった。難病発症や周囲からの孤立も重なる中、その「ぼろぼろ」ぶりを描く筆致は、筆者の泣き叫ぶ声が本当に聞こえてきそうな迫力がある。

   しかし、ある医師との出会いをきっかけに転機が訪れる。紆余曲折の末、その医師との結婚を予感するようになり、

「この世に救いはちゃんと用意されていた。私は羽をもらった」
「人を信じることの幸せを教わって、幸福で震えていた」

という気持ちを抱くまでに「変身」を遂げる。いったい彼女に何が起きたのか……

   漫画のテーマは、「天使から産まれた悪魔の子」。天使のママのことが大好きな悪魔の子の苦悩と「愛情にあふれた活躍」を描いている。

   2013年3月1日、発売された。2000円。

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