アメリカの被災者のメンタルヘルス
『災害で傷ついたあなたへ 自分のこころをケアする方法』
東日本大震災発生間もない、日本中がショックに打ちのめされているとき、訳者はタイトルにひかれ本書の原書を読み始めたという。大災害に見舞われた米国の被災者たちのメンタルヘルスに取り組んだ経験をもとに書かれているが、読み進むにつれ震災で痛手を受けた日本人のひとりとして気が楽になっていくことに気づいた。阪急コミュニケーションズからの『災害で傷ついたあなたへ 自分のこころをケアする方法』(著・イレーナ・シンガー、訳・栗原泉、1890円)は、米国の心理療法士による災害のトラウマを癒す処方箋だ。
復興が進み住宅や道路が修復され市街地が戻ってきても、災害を生き延びた人たちのこころの傷を治すことはできない。ケーススタディーをもとに具体的な対処法を示す。