「被災者により細かな支援を」――。福島県いわき市は2013年3月1日から、富士通のタブレット端末を使った東日本大震災被災者向けの「一時提供住宅入居者等見守りサポートシステム」の運用を始める。
市職員らが仮設住宅を訪問した際、タブレット端末を使ってその場で必要な情報を提供するだけでなく、ストレスチェック機能などを活用することで入居者の心のケアに役立てたい考えだ。
ストレスチェックで専門支援に連携
いわき市によると、震災から2年近くが経過した今も、市民のうち2973世帯、8227人(13年1月25日現在)が仮設住宅などでの暮らしを余儀なくされている。
こうした被災者への日々の支援を担っているのは、市、社協、地元NPOのメンバーなど約40人。いわき市はタブレット端末を使った新たなサポートシステムを通し、よりきめ細かな見守り支援を目指す方針と言う。
新システムの主な機能は(1)職員の仮設訪問時、入居者の問い合わせにタブレット端末でインターネット情報を検索して情報提供する(2)タブレット端末から入力した訪問記録などをデータセンターで一元管理することで、継続的な支援に活用できる(3)タブレット端末で簡易なストレスチェックなどを行い、その結果を保健師などによる専門的な支援につなげる――など。
いわき市は「被災者支援の質を高めるツールとして活用するほか、要援護者のサポートにも役立てたい」と話している。