【書評ウォッチ】通勤電車で眠る技術から、卑弥呼の食事まで 多彩でユニーク、使える文庫新書欄 

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小学生、卑弥呼に原発問題

   『小学生に授業』(河合隼雄、梅原猛編著、朝日文庫=朝日)は、小学生からの素朴な質問に、学者9人が応じた授業記録。「なぜ勉強しなければいけないの?」と言う子どもたちに、とんこつラーメンの開発やチンドン屋に目を輝かせる湯川秀樹博士を登場させて説明する先生たちの姿が生き生きと浮かぶ。

   『卑弥呼は何を食べていたか』(廣野卓著、新潮新書=読売)は、古墳、飛鳥、奈良時代など、古代人たちの食生活から食と人、さらには歴史ドラマとの関係にも触れていく。

   もう少し現代のホットなニュースを考えたいという人には『「尖閣問題」とは何か』(豊下楢彦著、岩波現代文庫=日経)。米国は尖閣諸島のうち2島を日本から借りながら、領有権で「中立」でいいのかと問いかける。『原発、いのち、日本人』(今井一・構成、集英社新書=読売)は原発やエネルギー、民主主義のあり方などを浅田次郎、ピーター・バラカンら文化人9人が語った。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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