九州・有明海のムツゴロウを粉末スープにした即席めん「有明海むつごろうラーメン」が、そのコク深い味わいとともに話題を集めている。
「100点満点のできばえ」
福岡県柳川市の魚屋食堂「夜明茶屋(よあけぢゃや)」が製造し、2013年2月から売り出している。
ムツゴロウはハゼ科に属する魚の一種で、潮が引いた干潟の上で生活する。同店はこれまで採れたてのムツゴロウを刺身や煮つけとして提供してきたが、新たに即席ラーメンの要である粉末スープ仕立てに調理。「漁師と一緒にご当地名物をつくりたい」との思いを込め、1年間の試作を繰り返して「世界初、業界初」の商品化にこぎつけた。
材料に使ったムツゴロウは体長約20センチの大きめサイズ。うろこや内臓を取り出した後、天日干しや炙りだしを経て、細かく砕いてコクのあるしょうゆ味に。大半の工程は手作業で苦労の連続だが、「その甲斐あって100点満点のできばえ」と言う。
発売以来、地元メディアなどで取り上げられ、評判は上々だ。同店は「ムツゴロウの食文化を守り続けたい」と話す。
ネット上には「ムツゴロウの味が想像できない」「パッケージがかわいい」など多くのコメントが寄せられている。店頭販売のほか、ネット販売もしており、1袋(めん78グラム)262円。化粧箱(4袋入)、業務用(40袋入)でも販売している。