徹夜して準備したプレゼン資料。本番で必死に説明しても、クライアントは上の空。冷たい汗が背中を伝った経験をしたことのある人は多いだろう。なぜ、入念に準備しても少しも取引先の心を動かすことができないのか、2013年2月21日に講談社から『プレゼンの極意はマンガに学べ』を上梓した漫画家の三田紀房氏が、そのメカニズムと対策を教えてくれる。
盲点だった!
三田氏は、『ドラゴン桜』などの作品がヒットした際、コラボ企画が次々提案されたものの、示されたプレゼン資料に心を動かされることは一度もなかった、という。数々のプレゼン資料を見、企画提案を受けてきた結果、日本人ビジネスパーソンは企画力が足りないのではなく、自らの企画を「わかりやすく伝える技術」が不足しているのではないか、と分析する。
三田氏によると、日本人が幼少から親しんできたマンガこそ、じつはその技術を身につけるための最高の教科書になる、という。毎週掲載され、人気がなくなれば連載終了。そんなシビアな競争の中で、漫画家は毎週何十万人を相手にプレゼンをし続けているようなものだ。一流の漫画家は、どんな意図を持ってコマ割りを考え、ページを構成し、読者の目を惹きつけ、次のページをめくらせるのか。翌週も読んでもらうためにどんな「フック」を用意するのか。「引きの技術」「謎をかける」「7割のリアリティ」「稼ぎ頭をつくる」などといった「20の法則」を、自身の作品カットを示しながら徹底解説する。
マンガ式「伝える技術」をマスターすれば、企画提案から営業先での話の進め方、あるいは就職・転職の面接試験など、あらゆるビジネスコミュニケーションに応用可能だとしている。
私たちがこれまでなじんできながら、ビジネスに使うことには「盲点」だった、マンガからのプレゼン術やコミュニケーション術を、本書で体得してみてはいかがだろうか。