日本を襲う中国の大気汚染 「打つ手あるのか」を考える

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小説家が描いた衝撃的「実態」

『複合汚染』
『複合汚染』

『複合汚染』

   農薬や洗剤が河川や土壌を汚染し、食の安全や健康を脅かす――誰にもわかりやすい生活者の視点で、ノンフィクションを書くように目の前の疑問に体当たりしていく。新潮文庫の『複合汚染』(著・有吉佐和子、882円)は、今から40年近く前に朝日新聞に連載された新聞小説だ。高度経済成長の歪みが公害となって噴き出し、利便性や効率優先を問い直す時代だった。小説家が公害問題を追及する作品として注目されたが、複合汚染の衝撃的な実態が次々に明らかにされるにつれ大きな反響を呼んだ。

   虫食い野菜や果物、食品添加物、堆肥と科学肥料など身近なところから食物や生態系について関心と論議を呼び起こし、有機農業にも大きな影響を与えた。公害や環境問題を考える上で、今なお欠かせぬ一冊といえよう。

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