中国の知られざる汚染実態
『中国汚染 「公害大陸」の環境報告』
中国の大気汚染による影響は6億人に及ぶといわれる。彼の国の環境汚染は一体どこまで深刻なのか。都合の悪いことは公表したがらないお国柄で、本当のところはなかなか伝わってこないのが実情だ。ソフトバンククリエイティブのソフトバンク新書『中国汚染 「公害大陸」の環境報告』(著・相川泰、767円)は、いまや「公害大陸」と呼ばれる中国の知られざる汚染の実態をレポートしたものだ。
世界を震撼させた吉林省の化学工場の爆発事故とそれによる河川の大規模汚染や、水汚染が原因とされる「がん」が多発する「がん村」の存在など健康被害も進行し、汚染を訴える抗議行動は激しさを増している。著者は中国への留学経験をもち、『環境共同体としての日中韓』の筆者の1人でもある。中国汚染の全体像と背景に迫る。