勘三郎さん、団十郎さんの後継者たちは 歌舞伎の行末と魅力を探る

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   中村勘三郎さん、市川団十郎さんと歌舞伎界の名優が相次いでこの世を去った。新しい歌舞伎座のこけら落としを目前に控え、あまりにも早すぎる訃報だった。歌舞伎界はこの危機をどう乗り越えていくのか。勘九郎さんや海老蔵さんら若手への期待が高まるなか、歌舞伎の魅力と行末を考える。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(http//:books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中

名門御曹司VS「成り上がろう」とする若者

『ぴんとこな』(1巻)
『ぴんとこな』(1巻)
『ぴんとこな』(1~8巻)

   歌舞伎の世界には外部の人間にはわかりにくい約束事や独特の言い回しがある。「ぴんとこな」もその一つで、「男らしく芯のある、二枚目」という意味だ。小学館(Cheeseフラワーコミックス)の『ぴんとこな』(著・嶋木あこ、1巻~8巻各420円)は、その「ぴんとこな」を主人公とする長編漫画である。月刊漫画誌『Cheese!』(小学館)に連載中で、これまでに8巻が刊行されている。

   歌舞伎界の名門に生まれたが実力のない御曹司と、歌舞伎とは無縁の家に生まれながら稽古を重ねて成り上がろうとする若者。正反対のふたりが同じ娘に恋をして――物語はそこから始まり、恋愛や家柄をめぐる羨望や嫉妬、役者としての試練と成長など様々な要素が入り交じる。夢中になって読み進み、気がつけば歌舞伎の世界にはまってしまうという仕掛けだ。

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