【書評ウォッチ】自民「右傾化」を読む 機関紙連載に見る保守の行方

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まさか猫かぶりの仮面?

   民主党に対抗して自民党が主義を強調するようになった時期に文が書かれた事情もある。朝日紙上で中北さんは「その過程で生まれた最良の成果」「おおらかな保守主義に近い」と評価する一方、自民党はその後結局「『右翼』へと傾斜していった」と受けとめる。

   この観察が正しいかどうか。少なくとも、政権交代後のムードに浮かれていないで、政治の行方を考えておく必要はある。タイムリーな問題だ。安倍政権の一見穏やかな表情がもし猫かぶりの仮面だとしたら、夏の参院選後がなんとも不気味。

   『政治はなぜ嫌われるのか』(コリン・ヘイ著、岩波書店)が読売新聞に。「政治家は自分の利益しか考えていない」といった気分は世界共通。自己利益を図る政治家や公務員、すると棄権者が増える。悪循環。そこから民主主義の取り戻し方を考えた。「一考に値する」と、評者の政治学者・宇野重規さん。でも、今の政治家を好きになれる人は少ないだろうな。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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