「人質事件」機に「イスラム世界」を知る その歴史とタブーと考え方

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豚から見えてくるイスラム

『愛と憎しみの豚』
『愛と憎しみの豚』

『愛と憎しみの豚』

   豚カツやカツ丼は子どもから大人まで日本人の好きな食べ物だ。日本ばかりではない。豚肉は世界の各地で様々な料理に使われている。だが、その一方で激しく嫌う人たちもいる。それはなぜなのか。集英社の『愛と憎しみの豚』(著・中村安希、1680円)はそんな素朴な疑問から豚をめぐる謎を追ったノンフィクションである。

   47か国をめぐる旅をもとに書いた『インパラの朝』で開高健ノンフィクション賞を受賞した著者は、今度もまた灼熱のアラブからイスラエル、東欧、極寒のシベリアへと旅を続ける。豚は人に挨拶するし、カメラを向ければポーズをとるのだそうだ。そんな豚との付き合いを通して、イスラム教徒はなぜ豚を拒絶するのかを探る。豚からみた、もうひとつのイスラム案内である。

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