文化庁もびっくりエロエロ効果 80年前の「エロエロ草紙」が電子書籍に

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   「エロエロ草紙」という作品をご存じだろうか。1930年、酒井潔(1895~1952)の著書として出版される予定だったが、お上の横ヤリで発禁になった本だ。どんないかがわしい内容か――と思いきや、実のところはいわゆる艶笑的な内容で、今の目で見るとそんなに「エロ」くない。

   それが80余年の歳月を経て国立国会図書館のデジタルアーカイブで公開されるや、タイトルに「釣られる」人が続出し、5か月連続でアクセス数1位を記録する事態に。この件はネットメディアなどでも伝えられ話題を呼んだが、今回その「エロエロ草紙」が、電子書籍として日の目を見ることになった。

文化庁事業の一環として、芥川直筆本なども

「エロエロ草子」表紙(国会図書館デジタル化資料より)。電子書籍とはいえ、80年を経て刊行される
「エロエロ草子」表紙(国会図書館デジタル化資料より)。電子書籍とはいえ、80年を経て刊行される

   文化庁が実験的に行う「文化庁eBooksプロジェクト」の一環として実現したもので、『エロエロ草紙』のほか、国会図書館がデジタル化した貴重な古書籍計13作が、電子書籍として紀伊国屋書店から無料配信される。こうした資料の電子書籍としてのニーズ、流通における課題などを検証することを目的とした事業だ。

   ラインアップには「絵本江戸紫」(1765年)、「平治物語〔絵巻〕」(1798年)などの古典籍のほか、竹久夢二、芥川龍之介、柳田國男、夏目漱石、永井荷風、宮沢賢治などそうそうたる顔ぶれが並ぶ。芥川などの作品については入手困難な初版本や、作者の直筆原稿などを元にしており、通常の電子書籍とは一味違う「貴重な」内容だ。直筆本などにはテキストデータも併収するなど、読みやすさにも配慮している。

   しかし、こんな大プロジェクトになぜ「エロエロ草紙」が?

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