75歳「超実験小説」は日本語変えるか 「最年長・最年少」で読む芥川賞

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父の死に取り組む作者の分身

『水死』
『水死』

『水死』

   ノーベル賞作家の大江健三郎が第39回芥川賞(1958年)を受賞したのは東大在学中の23歳の時だった。受賞作『飼育』は終戦末期に山村に墜落した飛行機に乗っていた黒人と少年との交流を描いた作品だが、その前に発表した『死者の奢り』も候補作にあげられており、作家としての才能は受賞前から高く評価されていた。ちなみに第38回の受賞は開高健の『裸の王様』。

   講談社からの『水死』(著・大江健三郎、文庫・880円)は、『飼育』から半世紀を経た2009年に2年ぶりに発表された長編小説で、このほど文庫化された。終戦の夏に川で水死した父のことを小説に書こうとする作者の分身である老作家の物語だ。現代に生きる作家として様々な問題作を投げかけてきた著者が、この作品によって問いかけたものは――。

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