KDDIが、「Firefox(ファイアフォックス)OS」を搭載したスマートフォン発売を検討している。
スマホ向けOSは、アップルのiOSとグーグルのAndroid(アンドロイド)が国内シェア99%以上を占める超寡占状態にある(BCN調べ、2012年時点)。しかしここに来て、新OSの動きが盛んに。2013年もiOS・アンドロイドの二強時代が続くのか、それとも新興組との「三国時代」に突入するのか。
見本市にはすでに試作機登場
ファイアフォックスOSは、ウェブブラウザ「ファイアフォックス」で知られるモジラが現在開発を進めている。独自プラットフォームによるユーザー・アプリの「囲い込み」を計る既存OSに対し、旗印は「オープン」で、
「独占的モバイルプラットフォームからの解放」
「(OEMや通信事業者に)そのユーザとマーケット特有のニーズに合わせるための影響力を与えることができます」
といったキャッチフレーズが公式サイトには踊る。まだ実用化段階には入っていないが、2013年1月の米見本市「CES」では試作機の展示が行われ、年内には搭載端末が発売されることが見込まれる。
KDDIの田中孝司・取締役社長は21日のイベントに出席した際、このファイアフォックスOSを搭載したスマホ発売を検討していると発言した。22日に確認したところ、KDDI広報部も社として検討中だと認めている。もっとも、具体的な時期などについては明らかにしていない。
ドコモも「Tizen」支援
こうした動きはKDDIだけではない。NTTドコモも、新OS「Tizen(タイゼン)」搭載のスマホ発売を検討中だ。
iOS・アンドロイドに席巻される現在のスマホ業界では、携帯電話会社はアップル・グーグル側の思惑にどうしても振り回されがちだ。一方の新興勢力・ファイアフォックスOSやタイゼンはともにオープンさ、またカスタマイズ性の高さを売り物にしており、キャリア側とは相性がいい。
とはいえ、その実力は未知数だ。「ポストiOS」「ポストアンドロイド」をにらんで、手探りの状況が続く。