「イスラムの日常」今こそ知りたい コーラも好きな「普通の」人々

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   アルジェリアで2013年1月発生したガス施設襲撃事件は、日本人を含む多くの死者を出す痛ましい結果となった。その犯行グループが「イスラム過激派」と報じられたことで、イスラム世界全体に対し、改めて「怖い」「近づきにくい」という印象を持った人も多いかもしれない。

エジプトの砂漠に暮らす「ノマド」の日常

『女ノマド、一人砂漠に生きる』(常見藤代著、集英社新書)
『女ノマド、一人砂漠に生きる』(常見藤代著、集英社新書)

   もちろんそれがイスラム世界のすべてではないが、習慣や考え方など、日本人にとっては馴染みが薄いのもまた事実だ。イスラム圏の「普通の」人たちは、はたしてどんな毎日を送っているのか。

   一つの例を示してくれそうなのが、『女ノマド、一人砂漠に生きる』(常見藤代著、集英社新書)だ。著者はエジプトの砂漠で遊牧民(ノマド)生活を送る女性・サイーダさんに密着し、その「たくましい」暮らしぶりを紹介している。文明から隔絶されたように見えるサイーダさんだが、一方でラクダに積んだラジオでニュースを聞いたり、また子どもたちからもらうコカ・コーラが大好物だったりと、その姿はステレオタイプの「遊牧民」とはだいぶ違う、親しみ深いものだ。

   また同著では、サイーダさんとは対照的に、都会で暮らすムスリム女性たちにも取材する。「一夫多妻」のイスラム世界では、女性たちはどんな日々を送っているのか。その本音が興味深い。

   2012年12月刊。798円。

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