すごい一句に涙
ほかには、『時代を生きた名句』(高野ムツオ著、NHK出版)の中にある凄い一句が毎日新聞に載った。釜石の高校教師だった照井翠さんの作。
寒昴(かんすばる)たれも誰かのただひとり
その作意は、著者の評釈と評者・渡辺保さんの解説を読むとよくわかる。
大震災のとき、生徒400人を無事体育館に避難させたのだが、間もなく状況がわかってくる。孤児になった生徒4人、片親になった生徒16人、家を失った生徒多数。夜の体育館にこらえきれずに泣く声があふれた。涙を抑えて校庭に出た照井さんが振り仰ぐ夜空に寒中の星座スバル。「思わず胸が熱くなった」と紙面にある。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」でも記事を公開中。