値段が下がることで思いもよらなかった使い道が
3Dプリンターに対しては、ベストセラー『MAKERS』(クリス・アンダーソン著、NHK出版)が「なんでも生み出す魔法の杖」と評するなど期待が高まっている。もっとも、一般層の3Dプリンター利用にはまだまだ「壁」があるという。
「3Dプリンターならなんでもできる、というムードが広がっていますが、普通のプリンターと同じで、元になる3Dデータを自分で作れないままでは、単に既存のデータをダウンロードして出力する、というだけの使い道に留まってしまいます。3Dスキャナーがあれば、という人もいますが、こちらは500万~600万はしますから……」(湯前さん)
とはいえ逆に言えば、3Dデータさえ使いこなせれば「できない形はない」「夢のツール」であることは間違いない。湯前さんも、価格が下がって利用しやすくなったことで、「今まで考え付かなかったような使い道が生まれる」ことを期待する。たとえば、購入者の中には「和菓子の型作り」に3Dプリンターを使った人もいたとか。湯前さんには、もちろん思いもよらない用途だった。
「だから私たちの側からは、あまり『こういうことに使える』といった具合に使い道を限定したくないんです。3Dプリンターはあくまでツールの1つ。使い方は利用する人次第です」