脳科学で見る粉ミルク最前線 注目成分「アラキドン酸」と母乳の関係

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海外ではすでに普及、日本でも導入始まる

   上記のような知見から欧米、特に米国の粉ミルク業界では積極的に商品化が進み、「アラキドン酸配合」をうたった商品が今や主流になろうとしている。FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)が設置した「コーデックス委員会」も2007年、DHAを粉ミルクに配合する場合には「アラキドン酸を少なくともDHAと同濃度」加えることを推奨する規格を発表した。

   一方、日本ではDHAは1980年代から添加されていたものの、アラキドン酸はDHAに比べ少量しか配合しないメーカーがほとんどだった。しかし2012年には大手メーカーが従来品からアラキドン酸の添加量を倍以上に増やし、「母乳並み」とした商品を発売するなど、日本でも最新の研究を反映した「より母乳に近い」ミルクが登場しつつある。

   順天堂大学の清水俊明教授も、赤ちゃんの発育のため特に重要な成分としてアラキドン酸などを含む脂質を挙げる。DHA・アラキドン酸の摂取量については検討すべき点も多いとしつつ、「母乳のレベルが大きな目安になる」との見方を示した。

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