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笑いは人の生きる力になりえるか

   心の悩みを持つ人は増えているが、相談にのる精神分析家は日本ではまだ30人ぐらいしかいないらしい。その一人、藤山直樹さんが著した『落語の国の精神分析』(みすず書房)が読売新聞に。

   噺「寝床」「らくだ」「粗忽長屋」などを論じて登場人物の行動や言葉を読み解いていくのだが、「読者はむしろ人間の心の複雑な動きを知るだろう」と評者の松山巖さんが薦める。

   著者自身が無類の落語好き、素人ながら高座に上がる。笑いは人の生きる力になりえるだろうか。現代社会と人生の問題アレコレを誰もが明るく乗り切れる一年にしたいものだ。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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