再生医療実現の日はいつになるのか
『iPS細胞 ヒトはどこまで再生できるか?』
「1日も早く医学への応用を実現させなければならない」。iPS細胞の生みの親でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授が講演や記者会見のたびに繰り返す言葉だ。再生治療の切り札といわれるiPS細胞が、世の中の患者の救済に実際に役立つ日はいつやってくるのか。日本実業出版社の『iPS細胞 ヒトはどこまで再生できるか?』(編著・田中幹人、1575円)は、iPS細胞のもたらす再生医療の可能性や問題点に正面から答える。
トカゲのしっぽは切れても生えてくるが、iSP細胞にも同じようなことが期待できるのか。人工血液やクローン人間は実現するのか。近未来の社会はどう変わるのか。さらには日本の研究体制は世界に太刀打ちできるのか。最先端の研究成果の明るい部分だけでなく、課題にも焦点を当てた。