名画解説に「これほど」の一冊
ほかには、『名画に隠された「二重の謎」』(三浦篤著、小学館101ビジュアル新書)がおもしろい。「一冊の本が絵の見方をこれほど変えてくれたのは初めての経験だ」と、評者の張競さんが毎日新聞紙上で言っている。
マネの「笛吹き」に二つの署名、アングルの「パフォスのビーナス」に左腕が二本も。そうした話を遊び心か、推理小説ばりに語る。クールベやゴッホ、セザンヌなどおなじみの画家も登場。この本は名作の謎を解きほぐし、西洋美術の基礎知識も教えてくれる。
(ジャーナリスト 高橋俊一)