Android(アンドロイド)スマートフォンには、iPhone(アイフォーン)でいうiTunesのような、パソコンと連携して端末のデータを管理するための標準ツールが存在しない。スマホ進出を重視するヤフーは、この点に注目した。
ヤフーは2012年12月19日、「Yahoo!スマホマネージャー」を発表した。スマホとPCでのデータ共有やコンテンツ購入機能を持たせた「アンドロイド版iTunes」という感のあるサービスだ。
あゆ、モー娘。などの音楽購入も可能
ベースとなったのは、ACCESSPORT(アクセスポート、東京・港区)がすでに提供しているツール「Tapnow(タップナウ)」だ。ヤフー側がアクセスポートの技術やノウハウなどの提供を受け、スマホ初心者などをターゲットに配信する。
スマホ上の写真をPCに転送したり、逆にPCの音楽をスマホ側に共有したりといったユーティリティー機能に加え、各種ストアを通じてアプリなどのコンテンツを購入できるのが主な特徴だ。利用可能なストアにはヤフーが運営する「Yahoo!マーケット」のほか、アクセスポートが提供する「TapnowMarket」「Tapnowミュージックストア」「Tapnow壁紙ストア」などがある。このうち「Tapnowミュージックストア」は18日にオープンしたばかりだが、浜崎あゆみやEXILE(エグザイル)、モーニング娘。など人気アーティストの楽曲を含む35万曲を配信している。
「スマホ」戦略急展開中
ヤフーはここ最近、さまざまな企業と組んでのスマホ戦略を積極的に展開している。10月には「LINE」のライバルである韓国・カカオトークと結び通話アプリ競争に参戦したほか、11月にはGREE(グリー)、そして「Mobage(モバゲー)」のDeNAといったソーシャルゲーム界の「2大勢力」とともに提携するという体制を作り上げた。さらに今回の「スマホマネージャー」提供で、コンテンツ面のみならずツール面でもスマホユーザーへの影響力を強めそうだ。
価格は無料。ストアでのコンテンツ利用には別途料金が発生する。