彩雲や「天使のはしご」、翼吊し雲……さまざまな形の雲と光が織りなす写真が次から次に登場する。『雲ごよみ 天気と季節の観察図鑑』(高橋健司、山川出版社)。まるで「雲の展覧会場」へ足を踏み入れたような気分になれそうだ。
さらに、雲の形と天気の関係は?なぜ雨が降るの?――こんな疑問にも、絵付きの分かりやすい解説でこたえてくれ、小学生から大人まで楽しめる図鑑になっている。
「動物」の形をした雲や「天使のはしご」の写真も
「あっ、すじ雲だ。天気は下り坂だな」
どうしてそんなことが分かるのか。この図鑑では、寒気団や暖気団と雲の関係を、絵や矢印を使いながらやさしく説明し、雲の形が教えてくれる天気のヒミツを解き明かしている。
もっと気軽に、パラパラとページをめくりながら、雲の写真を眺めるだけでも楽しめる。年賀状用の写真に使えそうな十二支の「動物」の形をした雲や、層積雲のすき間から太陽光のすじが差し込んでいる「天使のはしご」といったユニークな写真が盛りだくさん。イワシ雲やレンズ雲、問答雲など、本当にたくさんの種類の雲が登場する。読み終われば、「雲博士」になれそうだ。
写真も筆者の高橋さんの作品で、「毎日小学生新聞」(2007年4月~08年3月)での連載などをもとにまとめた。高橋さんは、日本気象協会勤務を経てフリーとなり、空をテーマとした写真家として知られる。
2012年11月に発売された。1575円。