若者を食う「ブラック企業」を許すな
『孤独なボウリング』(ロバート・D・パットナム著、柏書房)は、コミュニティには一定以上の平等が必要と指摘。社会保障など富の再配分を強調する。評者は『渋沢栄一』(島田昌和著、岩波新書)にも触れ、「経済と道徳の一致」を論じた事業家の理念に思いをはせている。
そういう道徳理念とはおよそ正反対のところにある企業の問題を、朝日新聞が森健さんを評者にとり上げた。いま就活学生が恐れる『ブラック企業』(今野晴貴著、文春新書)だ。
若者を大量に雇用し、長時間勤務や不条理な命令で酷使。自己都合で退職させ、穴はまた大量採用する。違法ないし違法すれすれ。こういう妖怪行為を許してはいけない。
(ジャーナリスト 高橋俊一)
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