集団的自衛権の本質は「自衛」か「他衛」か
『集団的自衛権と日本国憲法』
「自衛隊と米軍が一緒に行動している時、米軍が攻撃を受けた。自衛隊がそれを助けることは集団的自衛権の行使になるから憲法上許されない」。集団的自衛権についての政府の見解を一言でいえばこうなる。これに対して、それでは同盟軍を見殺しにすることになるという議論がある一方で、認めれば戦争参加への道を開くという指摘もあり、今度の選挙でも集団的自衛権の行使をめぐって論議を呼んでいる。
集英社新書の『集団的自衛権と日本国憲法』(著・浅井基文、735円)は、集団的自衛権の本質は「他衛」であり、「自衛」ではないと断言する。国連憲章の規定する集団的自衛権を検証し、日本国憲法の平和思想や戦後の日米関係を考察、国際社会でのあるべき日本の役割を問うている。