ヒトとネコが都会で共存する方法
『ネコと暮らせば―下町獣医の育猫手帳』猫はどのように飼うべきか。本来外で暮らす動物なので室内で飼うとストレスがたまってかわいそうという意見。いや、外に出ると他人に迷惑をかけたり、病気感染や事故にあったりする危険があるという意見。集英社新書の『ネコと暮らせば―下町獣医の育猫手帳』(著・野澤延行、735円)は、前者の考えに理解を示しながらも、現代日本の都市空間や住宅事情のなかで、猫と人がどのように付き合っていけば共に快適に生きることができるのか、育て方や遊び方を含めて提示したものだ。
著者は東京の下町、西日暮里で動物クリニックを開業しており、近くの谷中界隈の野良猫問題にも取り組んできた。そうした体験に基づく内容で、獣医師の立場から猫の健康や病気の問題も取り上げている。