逆に言えば「古くても、安ければ…」?
だが裏を返せば今回の売り上げ上昇は、『深夜特急』のような過去の作品でも、やりようによっては最近のベストセラーよりもよっぽど売れる、ということも示している。普通の書店では多少値下げしたところで、『深夜特急』が『のぼうの城』や『悪の教典』より売れるということはまずないだろうが、電子書籍ではそれが可能なわけだ。
Twitter(ツイッター)でも、「文庫で持ってんだけど、沢木耕太郎の深夜特急・第一巻をKindle本で買っちまった」など、同著を持っている、あるいは読んだことがあるという人でも、電子版を購入したという声が複数見られた。電子書籍業界の「商機」は、案外このあたりにあるのかもしれない。