発想の転換で「日中95%」節電 日本コカ・コーラの新自販機登場

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   東日本大震災の発生後、電力不足が問題となり、各地に設置されている自動販売機は節電対策を迫られてきた。そんな中、電力需要が増える日中に冷却用電力をほとんど使わない自動販売機「ピークシフト自販機」の展開予定が2012年11月19日、日本コカ・コーラから発表された。夜間に飲料の冷却を行い、日中は冷却なしで最長16時間冷たい製品の販売が行える。日中の消費電力を95%削減し、年間の消費電力量も10%以上の削減になるという。

自販機内の飲料が「保冷剤」として機能

「ピークシフト自販機」発表会に出席したポーラーベア、セイヤー社長、ブレット副社長
「ピークシフト自販機」発表会に出席したポーラーベア、セイヤー社長、ブレット副社長

   従来の自動販売機は、消費電力抑制のため販売間近の3分の1の飲料のみを冷却していたが、「ピークシフト自販機」は発想をガラリと転換した。比較的電力に余裕のある夜間にすべての飲料を冷却し、日中は自販機内の冷気を逃がさないようにするなどした仕組みは従来では考えられなかったものだという。

   従来のウレタン断熱材と比べて10倍の断熱性能を持つ真空断熱材を多用し、外気温の影響を受けにくくした。扉の気密性を高める改良も行っている。さらに、全体を冷却することで飲料が「保冷剤」として効率的に機能するようになった。7月から2か月間、猛暑で知られる埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市周辺に各6台を設置してフィールドテストを実施し、保冷機能と電力削減を検証した。

   都内で行われた記者発表会に出席した日本コカ・コーラのダニエル・H・セイヤー代表取締役社長は、

「自動販売機導入後50年の歴史で、最も革新的な自販機であり、ピークシフト自販機のようなものは他に存在しません。省エネに関してはマーケットナンバーワンです。」

と自信を見せた。

   「ピークシフト自販機」のデザインには、同社が環境の象徴として掲げているキャラクター「ポーラーベア」が前面と側面にあしらわれている。2013年1月から全国で設置を開始し、初年度は2万5000台を目標とする。

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