全国各地のアンテナショップが集結する東京・有楽町の東京交通会館。2階に上がると、1階や地下の賑わいとはうって変わって、いつでも静かだ。
ニゴロブナを塩と米で1年ほど漬け込んで発酵
そんななかに、滋賀県のアンテナショップ「ゆめプラザ滋賀」もある。観光情報の提供やお土産品の販売を行っており、彦根市の人気キャラクター、ひこにゃんのグッズも少々。そのひこにゃんに倣ったわけでもないだろうが、店内はわりとゆるい雰囲気である。
店先の小型冷蔵ショーケースには、滋賀が誇る伝統食の鮒鮨(ふなずし)が数種、販売されていた。この鮒鮨は「すし」と言っても、すし飯の上に魚が乗っているあのすしとは違う。琵琶湖の固有の魚であるニゴロブナを、塩と米で1年ほど漬け込んで発酵させたものだ。
近年はそのニゴロブナも数が激減してしまったため、他のフナを使うことが多いというが、今回購入した「あゆの店きむら」(彦根市)の「鮒寿し切身」(1050円)は天然のニゴロブナを使っているということだ。